地方上級公務員試験について、ピンポイントで知りたいと言う人がおられると思います。そこで、私が勝手に考えたQ&Aですが、少しでも便宜が図れればと思いこのコーナーを作りました。どうぞご参考にしていただければと思います。

地方公務員試験の区分は、一般的な事務や技術的業務に従事する職員を採用する試験を、上級(大学卒程度)・中級(短大卒程度)・初級(高校卒程度)に区分しているケースが多いです。
道府県及び政令指定都市の大学卒程度の採用試験は、同一の試験日程(おおむね6月の第4日曜日)に行われます。
試験内容は出題数、出題科目、出題内容によって、いくつかの出題タイプに分けられ、各自治体により試験問題の内容は異なります。
東京都と特別区の大学卒業程度の採用試験は、独自の日程(おおむね5月の第1日曜)、問題にて試験が実施されています。
国家公務員、地方公務員とも、学歴については「卒業程度」を要件にしていることが多いですが、学歴制限を実施する一部の地方公共団体や、学歴に伴う資格を採用の要件とする特殊な専門的職種を除いて、多くの場合、学歴を実際に持たなくとも受験年齢に達している者は公務員試験を受験することができます。
ただし実際の採用に関しては、実質的に学歴が考慮される場合も多いとされています。

地方上級では大きく分けて一般教養と専門試験とに分かれます。科目数は大変広いので、ただがむしゃらに勉強してもなかなか効果は期待できません。
そこで、多方向に通じる科目から勉強することをお勧めします。一般教養では「世界史」や「数的処理」、専門試験では「憲法」や「経済原論」から手をつけると良いでしょう。これらの科目は、その他の科目と重複するところが多いので、先に勉強しておいて損はありません。
また、地方上級の試験科目は、大きく「暗記系」と「理解系」に分けられます。「暗記系」は試験の半年前から始めても何とかなりますが、問題は「理解系」です。こちらは短期間では回答方法を身につけることができないからです。
「数的処理」や「経済原論」は「理解系」に含められますが、特にこの二つの科目は、毎日少なくとも一問は触れる必要があります。また、「理解系」は何時間も続けて勉強したからといっても、それほど効果はありません。多くても一日に一時間半、勉強したら切り上げることをお勧めします。
勉強する際のテキストは、実務教育出版の『スーパー過去問ゼミ』が非常に良いです。はじめ手をつけたときは難しいと感じるでしょうが、実力をしっかりと伸ばすことができます。
実務教育出版には信頼できるものが多いので、論作文、面接の対策にも有効です。

地方上級には、学科試験のほかに「専門記述」や「論作文」があります。特に近年、論作文の配点が高くなっているので、注意が必要です。
「専門記述」は「憲法」や「経済原論」、「政治学」といった専門択一試験の科目のうち、1つを選んで、設問に対し文章で答えるというものです。
「論作文」は、行政が抱える問題を主に聞かれます。たとえば、「市町村合併について述べなさい」などが出題されます。
「専門記述」と「論作文」、ともに注意が必要なのは、試験側は受験者の「知識」の多さを見ようとはしていないということです。試験管はなによりも「論理の正確さ」を一番の採点基準としています。
知識が多く、正確であればそれに越したことはありませんが、知識はあくまで「論理」を補強するものとしてしか受け止められません。
なので、「専門記述」、「論作文」ではまず、自分の書いたものが「論理的な一貫性があるか」を一番重視しましょう。
具体的には、「現状はなぜこのようになったのか、という問題提起」→「理由の説明」→「現状の利点、問題点は何か」→「問題点はどうすれば解決できるか」の順で回答を作成すると良いでしょう。
最後に、「専門記述」は東京都や特別区といった一部の団体しか実施していないので、各自治体HPで確認しましょう。

近年、人物重視の傾向から面接試験も比重が高くなっています。
面接では、必ず聞かれることのうち、大きく分けて、三つのことが聞かれます。
一つ目は、受験者の動機。なぜ当官庁を受験したかは、必ず聞かれます。特に、受験者の出身地と試験を受けた官庁の所在地が異なる場合、積極的な理由が必要なので注意しましょう。この質問に対しては、自己アピールとあわせての返答ができるとうまくいきます。
二つ目は、受験者の体験や考えてきたことが、どのように仕事に役立つかということです。面接試験では「趣味は何か」ということも聞かれますが、試験官は「趣味」と「仕事」がどのようにつながるかに、最も関心があります。 また、これとあわせて受験した官庁が行っている政策について聞かれます。面接官が、受験者がどれくらい調べているかを把握するためです。試験官は、受験者がどのような政策に興味があるかを聞くとともに、当官庁にどれほど興味があるかを把握するところに意図があります。そこで面接の際、受験者としは受験官庁の政策について積極的に取り上げ、アピールしていくと良いでしょう。
最後は「何か質問はありますか?」です。この質問は、面接の最後に必ず聞かれます。そして、「特にありません」よりも「はい、これこれが…」のほうが評価は良くなるでしょう。説明会などに顔を出し、質問をあらかじめ作っておくと良いでしょう。
大事なことは、「自分にはなにができて、それは仕事にどんなかたちで応用できるのか」を考えておくことです。面接官は、これを聞き出したいのです。
テキストとしては『大卒程度公務員面接対策ハンドブック』(実務教育出版)が良いでしょう。ここに書いてある質問は実際にいくつかされました。

択一試験については、実務教育出版の『スーパー過去問ゼミ』シリーズが有効です。この問題集は実際に試験で出された問題が収録してあるので、勉強し始めたころは難しく感じると思いますが、確実に実力がつきます。
同出版社から刊行されている、『公務員試験速攻の時事』は、時事問題について公務員試験用の内容が書かれているので、たとえば『朝日キーワード』など、民間就職活動用の時事テキストに比べ、確実に、効率よく対策ができるので、特にお勧めです。
論作文については、市販されているテキストを活用して、おおまかな出題内容を把握するとともに、受験する自治体についての本を読んでおくことをお勧めします。たとえば、東京都については『石原都政の検証―世界都市・マネーゲーム・大東京主義』(青木出版)といったように、直近の自治体動向に対し批判的に扱っている本を読んでおくと、論作文で具体的な内容を示しつつ、主張することができます。試験側は出題の内容について、当該官庁の抱える問題について受験者に問うことが多いので、受験する自治体についての本を読んでおくと良いでしょう。
面接については、またもや実務教育出版ですが『
大卒程度公務員面接対策ハンドブック』が有効です。実際に友人や家族に面接相手になってもらい、自信がどのように他人に映っているかを把握すると良いでしょう。

地方上級の試験は毎年六月の四週目の日曜日に行われますが、公務員試験自体は、四月の第四週の日曜日にはじまる国家公務員一種の試験からおこなわれています。
何の試験を併願すると良いかということについて、結論としては、受けられるのであればできるだけ多く受けたほうが良いです。
公務員試験では、出題内容について過去に出題された問題をもとに作成されることが多いですが、その際他の区分の問題を参考にされることがよくあります。また、他区分の試験で同じような問題が出ることもあるので、併願はできるのであればお勧めします。
国家公務員一種の試験の後、地方上級の試験までには、国立大学法人、裁判所事務官、労働基準監督官、国税、国家公務員二種といったものが主に挙げられます。
このうち、裁判所事務官と労働基準監督官は、地方上級の試験科目+αの勉強が必要ですが、国立大学法人、国家公務員二種、国税については、おおむね地方上級の勉強で試験に対応できるので、併願することをお勧めします。
また、地方上級のうち、東京都庁、東京都特別区については、ほかの道府県とは異なる時期に試験が行われます(五月の第一週の日曜日)。他の道府県と違い筆記試験は比較的容易ですので、受験しておくと良いでしょう。

公務員試験では新卒、既卒を問わないのと同じように、留年も採用について影響はあり ません。
ただし、面接のときに「なぜ留年したのか」、「留年して何が得られたか」などということは聞かれます(これは既卒の方と同じです)。
わたしも大学を留年して、地方上級や国家二種を受けましたが、面接官に理由を聞かれることはあっても、ねちねちと突っ込まれるということはありませんでした。
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